6.「工事成績ダントツ化プログラム」の真の目的
■工事成績が経営を革新する

(1) 工事成績がもたらす経営改善

社長室にズラリと並んだ優良工事表彰の表彰状、優良工事表彰を受賞した社員の喜ぶ顔を想像してください。たとえ、競合になっても、希望価格で、必ず、勝てる会社。受注が安定し、将来の不安が解消された経営を想像してください。工事成績がダントツ化すると、会社は次のように変わります。

① 入札に関する経営者の苦悩を解消させ、安定経営が実現される。
② 入札案件の選択肢が広がり、予定外の受注に繋がり、利益が向上する。
③利益向上により、社員の処遇が改善される。
④利益アップと社員の処遇改善により、経営体質と社員の意欲が桁違いに改善される。
⑤会社の将来に希望がもて、後継者への事業承継がスムーズになる。

(2) あらゆる経営手法を超える成果

経営改善の方法として、中期経営計画、人事評価制度、組織風土改善プログラム、ISOがありましたが、工事成績ほど、現場に即した改善プログラムは存在しなかったといえるでしょう。
また、管理者研修、施工管理研修、動機付け研修などさまざまな教育プログラムが考案されましたが、工事成績ほど効果の高い教育プログラムは存在しませんでした。
工事成績の改善には次の効果があります。

1) 経営戦略:的をえた経営戦略が実行できる

①受注増大:総合評価のもとでは受注は工事成績で決まる。

      国交省工事・県大型工事の入札には、工事成績アップが不可欠。

②利益向上:歩掛かりは、単価が決まっているので、時間で決まる。付帯業務削減が必要。

      工事成績が向上すると、付帯業務が削減され、工期が短縮される傾向がある。

2) 施工管理:地道な改善が、長期にわたって継続できる

①品質向上:良いモノができるのは当たり前、「施工プロセスを証明できる」のが高品質。

②管理体制:着工前会議、現場指導、段階確認、竣工検査準備が高度化される。

3) 社員の意欲(動機付け)…動機付けは社長の仕事

①社員の意欲が高まる(動機づけは社長の大事な仕事である)

・「意欲がないから、成果があがらない」のではない。

・「成果があがらないから、意欲が高くならない」のである。

・したがって、まず、成果(工事成績)を向上させなければならない。

②社員が社長と同じ発想になる:社員の急成長

・会社平均点が問題なので、会社全体の工事成績を向上させなければならない。

・会社平均点を向上させるためには、自分の評価も高くならなければならない。

・会社目標(会社平均点)と個人目標(現場評価点)が一挙に「統合」される。

③「ただ1人の落ちコボレをださない」という企業文化:意識改革

・「お前の工事成績が上らなければ、俺の給料も上がらない」が理解される。

・そして、「ただ1人の落ちコボレも出してはならない」という意識が浸透する。

・その結果、全社員の協力体制、組織の協調力が一挙に高まる。

 

 

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