4.工事成績90点と優良工事表彰

4.1 工事成績を90点を獲得するための作戦

「工事成績を90点を獲得するための作戦」につきましては、セミナーやコンサルティングの中でお話させていただいているので省略します。重要なポイントだけを一言でまとめると、次の2項目になります。

⑴常に85点とれる状態にしておく(部外秘の評価基準を学び、書類上のミスをなくす)。

⑵得意工種かつ好条件の現場を担当したとき、自社管理基準を50%に設定して90点を狙う。

(1)につきましては、工事成績評定の構造に留意する必要があるように思います。

なぜなら、構造物につきましては、受注した時点で65点が与えられているからです。発注者は次のように述べています。

①県は入札参加資格制度で、建設業者をA,B,Cランクに分類しています。

②発注段階で、この工事はA(B,C)クラスならば完成するだろうと期待して発注します。

③この期待が65点なのです。ですから、受注して頂いた時点で工事成績は65点です。

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図4.1 受注した時点で65点

また、検査員さんは、次のように述べています。これが施工プロセス35点の内容です。

①検査では、完成物を見ることはできます。

②しかし、工事の途中経過を見ることはできません。

③途中経過を、工事記録(工事書類、工事写真)、から判断させていただきます。

(途中経過:施工途中で、特記、共通仕様書、施工管理基準、法令を遵守していたか)

したがって、この途中経過が規準を満たしていることを証明することが、工事成績アップのポイントになります。

(2)につきましては、社内規準を80%にすると、出来形、品質はb評価どまりになります。「品質の得点が上がらない」とおっしゃる会社は多いのですが、お尋ねすると、社内規準を80%にしておられます。90点を目指すなら、出来形・品質ともに社内規準を50%にする必要があります。

4.2 優良工事表彰

優良工事表彰を受賞するためには、「安全対策」「社会性」「創意工夫」「地域貢献」が重要だと考えられてきました。それは、次のような「優良工事表彰 受賞者一覧」が発表されているからだろうと思います。

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この表のとくに最右列をみると、表彰理由として、「安全の向上」「社会条件の克服」「創意工夫」「地域貢献」が上げられています。だから、これらの項目に努力しないと、優良工事表彰が受賞できないと思われているのでしょう。

しかし、どこの自治体にも、「優良工事施工者 表彰実施要綱」があり、それを読むと、どの自治体も、ほぼ同様の文言で、表彰の対象は次のように書かれています。

表彰の対象:「○○県建設工事成績評定要領」による工事成績評定点が優れた工事であること。

つまり、工事成績評定点が高い工事が表彰であると明記されているのです。

では、上の「表彰理由」と「工事成績評定点」のどちらが、真の表彰規準なのでしょうか?

考えてみれば明らかです。どんなに「創意工夫」「地域貢献」「社会性」「安全対策」が優れていても、工事成績が75点では、優良工事表彰にはならないでしょう。

したがって、提案項目に努力するよりも、まず、工事成績upを図らねばならないのです。

4.3 提案項目

工事成績85点を目標とするならば、創意工夫や地域貢献に、それほど努力する必要はありません。しかし、90点や優良工事表彰を狙う場合は、次のような努力が必要になります。

(1) 創意工夫

創意工夫のトレーニングは簡単です。これから工事を行なう現場の写真をとり、ブレーン・ストーミングを行うのです。

次の写真は、奥に見える踏切より手前の道路の「舗装打ちかえ」をするとなった場合の写真です。写真を撮る場合に最も重要なことは撮影時刻です。この写真は、午前8:00に撮った写真です。昼に撮影しても、閑散としていて、道路の混雑状況はわかりません。

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図4.2 施工現場の状況写真

この写真から、創意工夫の提案を考えるわけですが、それには「技術提案の手法」があります。それを知っていれば、誰でも苦労なく提案が作れます。

提案ができたならば、その提案が採用されるかどうかチェックしなければなりません。そのチェック方法も実は簡単に習得できます。

試しに、上の写真から提案項目を考えてみて下さい。直感で、第1の提案は、すぐできると思います。しかし、それではダメなのです。なぜなら、第2の提案、第3の提案…が出てきますか? 提案が次々に提出できるようになるには、上で述べた「技術提案の手法」を習得する必要があります。

(2) 社会性等

社会性などの項目には、次のような評価項目があります。

定期的に広報紙の配布や現場見学会等を実施して、積極的に地域とのコミュニケーションを図った。

道路清掃などを積極的に実施し、地域に貢献した。

□地域が主催するイベントへ積極的に参加し、地域とのコミュニケーションを図った。

□災害時などにおいて、地域への支援又は行政などによる救援活動への積極的な協力を行った。

これらを漏れなく確実に行うためには「計画」が必要になります。その計画を大雑把に示すと、次のようになります。

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図4.3 対外関係・社会性等の実施計画概念図

地域のイベントに参加するためには「調整」をしなければなりません。これは、工事成績評定表に書いてあります。その「調整」を確実に行うために、「調整」のロールプレイイングを行っています。

また、感謝状を獲得するには、そのストーリィを定めて、ロールプレイイングを行わなければなりません。

こうしたトレーニングをやって、初めて、地域に公共工事に対する好感を持っていただくことができるようになります。

目的は、公共工事に対するイメージアップにあります。その結果として、「調整」が成功し、感謝状がいただけるようになるのです。

 

 

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